揮毫事例紹介:墓石の家名

書道

お墓の家名を揮毫した事例紹介

先日、ご依頼をいただき、お墓の正面に刻まれる家名を揮毫(筆で字を書くこと)いたしました。

墓碑に刻まれる文字は、ご家族にとって代々受け継がれていく大切な存在です。そのため、単なる「文字」としてではなく、故人を偲び、ご遺族の思いを受け止める気持ちで筆を執りました。

ご依頼者様は大変真面目なお家柄の方で、文字についても「堂々としつつも柔らかさを感じるものを」とのご希望をお持ちでした。

そこで、肉太で重厚感のある隷書と、調和のとれた骨格に行意で柔らかさを加えた楷書の二案をご提示しました。いずれも力強さと落ち着きを併せ持ち、石に刻まれた際に永く読みやすく、また端正に見えるよう意識して仕上げております。

結果としてご依頼者様は後者をお選びになりました。

石材加工場のご担当者様とは、文字の輪郭やサイズ、配置について細部の確認を行いました。最終データは aiファイル(Illustrator形式)でお渡ししておりますので、これら情報を正確に共有でき、結果として調整の回数を最小限に抑えることができました。

最終的に墓石への彫り込みをしていただき、完成に至りました。揮毫した文字は黒御影石の光沢の中に静かに佇む姿となりました。

ご家族からは「温かみがありながら凛とした雰囲気になった」とのお言葉をいただき、書き手として大変ありがたく感じております。

書は、紙や掛軸だけでなく、このように石に刻まれることで、半永久的に残り、後世へと受け継がれていきます。その重みを改めて実感するとともに、一筆一筆の責任を胸に刻む機会となりました。

揮毫のご依頼はこちら

お墓の揮毫をご依頼いただく際には、以下の点をあらかじめご確認いただくと安心です。

  • ご契約の石材業者様が揮毫に対応しているかをご確認ください。
  • ご希望の書体や雰囲気(重厚感・柔らかさなど)をできるだけ具体的にお伝えください。
  • 墓石の材質や大きさにより、文字の見え方が変わることがあります。
  • ご家族の思いを反映させるため、候補案を比較しながらじっくりとご検討いただくことをおすすめします。

一つひとつ丁寧にご相談を重ねながら進めてまいります。どうぞお気軽にお問い合わせください。

ご相談は、下記フォームよりいつでも承っております。

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